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「ええ、本当に。パートナーが貴女だと尚更だ。少し動く度に暖かい飲み物を提供しなくてはならないのですから」
柏原は集めた埃をビニール袋に入れて、きつい結び目を作る。
そうしてから「これなら一人の方がはやい」と文句を言いながら、暖炉に薪を投げ入れる。
馴れた手付きで、赤いマッチ箱を手に取ると、シュッと音をたてて火を着けた。
窓の外はまだ明るいけど、確実に夜の気配が忍び寄っていた。
素足をソファクッションにのせて温める。
木の家って温かそうで冷たいのね?
柏原とは、逆だわ。柏原は、冷たそうで意外と温かいから……
「お嬢様、暖炉に火を入れました。直ぐに部屋が温まります」
マッチ箱を暖炉の脇に置いてから、もう一度暖炉の中を覗く柏原。すごく頼もしいパートナーだわ。
「遅くなりましたが、シュークリームと紅茶をお持ちいたしましょうか?」
「そうよ! 私、朝からずっとシュークリームが気になっていたのよ!」
柏原は、ジトッと私を睨み付けた。
アフタヌーンティには、だいぶ遅い時間だけど……柏原が選んで買ってきたスイーツで、今まで美味しくなかったものなんて一つもない。