SWeeT†YeN
棚の上の見慣れた携帯電話……
「どうしろってことかしら?」
ああ、でも昨夜は圏外で役立たずだったのよ。
私は、ピンクゴールドの冷たい物体を手にとる。すぐに、電源ボタンを押してみた。
PPP!
「わっ?」
メールの着信音が鳴り響く。ここ山の中なのに電波があるのね。
メールボックスを開くと、竜司と麗香とクラスメイトからのメールが数件きていた。
どちらも同じような内容で、『連絡をしてほしい』と書いてある。
それらを、ひとつずつ確認しながら『心配しないで、柏原と一緒だから大丈夫よ』と返信をすることにした。