SWeeT†YeN
でも、ないのね……
お父様とお母様からの連絡がない。
陽子さんからの連絡もない。
「はぁ……やっぱり、嫌いなんて言ったから愛想つかされちゃったんだわ……」
ため息をついて携帯を握りしめた。
少し固めのクッションの背もたれに寄りかかる。
窓の外は、だんだん暗くなってきた。
「柏原はやく帰ってきて……」
RRR!
「わあ! びっくりしたわ」
握りしめていた携帯が、鳴りはじめた。
今度は、着信を知らせる音だ。
「……はい」
その聞こえてくる声に望みを託す。控え目な声がでた。