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『もしもしーっ! 茉莉果ちゃんっ! 僕だよ。西原竜司だよ! 心配してたんだよーっあああああ、よかったーっやっと声が聞けたよ!』
「ニシハラリュージ? どちら様ですか?」
『茉莉果ちゃぁん!? 僕の事忘れちゃったの?』
「冗談よ。何の用かしら?」
着信の相手は、コアラの竜司だ。
メールを見てすぐに電話をくれたのかしら? 律儀なコアラね。
『……っう。茉莉果ちゃん、性格があの使用人に似てきてない?』
「冗談は、やめてちょうだい。私は、あんなにひねくれた性格してないわ」
失礼なコアラね。
私が、性悪執事に似てるなんて冗談にしては面白味がないわよ。
『そうだね……あの極悪人に似ちゃ困る。で、今どこにいるの? 使用人は側にいる?』