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震える私に、驚いたナツは慌てて「これだよ。これ」とメニューを指さす。
私は、恐る恐る"目玉焼き"を確認する。
どうか……あまり原型をとどめていませんように!!
「なんだぁ……フライドエッグじゃないの」
「フライドエッグってなんだよ? 目玉焼きは目玉焼きだ」
目玉焼きなんて縁起の悪い名前つけるなんて、考えただけで恐ろしいわ。
これもこの店の店長の奇抜なアイディアなのかもしれないけど、この表記は絶対に間違えよ。
個室を作らないひねくれ者なのだから、きっと変わった人なのね。
「じゃあ、私もナツと同じもの」
ナツは私の分のオーダーしてくれた。
優しい一面に惚れ惚れしていた所に、またもや……この店の変人店長の差し金がやってきた。
「こちらドリンクバーのグラスでございます」