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「お分かりにならないのですか?」


執事がクスクスと笑った。



「全然わらかないわ」


「薪割りですよ。暖炉の薪が少なくなってきたので、外に出て補充しましょう」


「ええーっ? 私もやらなきゃダメ?」


「ダメです。さあ、上着を用意して参ります。しっかり働いてください」



「わかったわよ……」



寒い外で柏原が割った薪を集めて、雨のかからない屋根の下に重ねていくのが、私の仕事。


「随分、手際がよくなりましたね」

「まあね、紫音茉莉果を甘くみないでちょうだい」



「おや、久しぶりにその名前聞きました」



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