SWeeT†YeN


 そうだったわ。私が命令したから柏原がここにいない。


 ナツの学校へ置き去りにしてきちゃった執事。今頃泣いてないかしら?

 いえ、泣いてるわけないわよね。あの性悪サイボーグ男。一人の時間を満喫してるに違いないわ。

 くつくつと黒い笑い浮かべて、一人でティータイムを楽しんでるのかもしれない。



「何にする? 俺がとってくるから」


 ナツは、急に大人しくなった私に心配そうに優しい声をかけてくれた。

 ツンデレのツンが取れたナツは、本当に素敵でカッコいい。



「温かい紅茶を……」

「了解」



 だけどナツの淹れてくれた紅茶は不味かった。

 変な苦味があり、どこが原産国かもわからない茶葉を使っていた。

 カロリー計算はバッチリなのに、茶葉の原産国を明記しない此処の変人店長には、もう驚かない。



 柏原がいれば、店長を呼び出しクレームの一言や二言や三言や四言や五言くらい簡単に言えるのに……


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