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「お嬢様、連絡いたしました。バースディープレゼントはいかがなさいますか?」

「あら、もう連絡したのね柏原。可愛くないわ」

 さすがは私の執事、行動が早い。

 おかげで二度寝しそこなったじゃないのよ。
ちょっとは空気読みなさいよ。

「執事に可愛らしさは必要ございませんので」


「そうよね……今から北海道に連絡をしてちょうだい」

「北海道でございますか?」


「ええ、麗香が喜びそうなプレゼントは私が一番よく理解してるもの」


 本当は二度寝をしたかったけど、我ながらプレゼントに対するナイスアイデアが浮かび眠気が吹き飛ぶ。

 麗香の好みは手に取る様に分かるわよ。


「お嬢様、プレゼントの手配は私がいたしますので学校へ行く準備をなさって下さい。また遅刻されてしまいますので」

 柏原が私のブランケットに手をかけるけど、私はベッドから飛び起きた。


「出掛けるわ、すぐに車を用意してちょうだい。学校なんて行ってる場合じゃないわよ柏原」


「茉莉果様……ですが」


「着替えるから部屋から出なさい。お父様に着替えを覗かれたと言い付けるわよ」

 柏原に反論させると、まためんどくさい事になる。

 私は、ネグリジェの胸元のボタンを一つ外す。

 豊満な胸に目を奪われるでしょ? でもダメよ。貴方は執事だから。
 
 柏原は敗けを認めない敗者のように強烈な視線を私に向けると、諦めたように部屋から出ていったのだ。



 ラッキー! 学校サボれたわ! この作戦使えるわね。


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