SWeeT†YeN
「あつっ!」
チーズに惑わされて、予想していたより熱いリゾットに……舌がヒリヒリとしちゃったわ。
「お嬢様、いつも私が申しておりますでしょう?
熱いものはよく冷ましてからと、注意力散漫は身の破滅を招きます」
そういう事は、私がリゾットを口にする前に助言しなさいよ!
柏原は、いつの間にかすぐ横にいて……私の手からスプーンを奪う。
「口の中ヤケドしちゃったじゃないの、柏原の馬鹿」
舌がヒリヒリして痛い!
柏原のせいよ。
熱すぎるリゾットを出したのも悪いし、注意してくれなかったのも悪いわ。
すぐに、添えられた氷の入ったミネラルウォーターのグラスに手を伸ばす。
すると柏原が先にそのグラスを握りしめた。
そして何故かミネラルウォーターを自分の口に含ませたのだ。
「何してるの? 柏原……」
刹那────
それは、本当に一瞬の事だった。
柏原の冷たい唇と
私の熱い唇と合わさる。
冷たいミネラルウォーターと氷が、柏原の舌を介して転がるように私の舌へと滑り込む。