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「お嬢様が、これ以上火傷をなさりませんよう。私が責任もってこちらのリゾットを食べさせて差し上げましょうか?」


「え? いいわよ、自分で食べれるから」


「そうおっしゃらずに」


調子にのった執事は何を思ったのか、スプーンでリゾットをすくう。


そんないつもの見慣れた姿なのに、不覚にも見とれてしまう。





今日はいつもと少し違う髪型だから格好良く見えるだけよね。



それとも、いつもよりお洒落な光沢のあるタイを緩めているからなのかもしれない……


自分の使用人にである執事に唇を奪われて……その執事に、簡単に魅せられてしまってるなんて……


私の心情を全て見透かしたような挑戦的な微笑みは、ナツより浩輔よりも魅力的だ。

大人の色気と知性と気品に満ちている。



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