BLack†NOBLE
『眠ってる』
『自分だけいい思いしやがって……』
蔵人の抱える気苦労は、俺には理解できない。
似すぎている容姿のせいで巻き込まれたなんて迷惑だ。
蔵人の少しだけ疲れた横顔が床を見つめた。
綺麗なブルーの絨毯にモダンな模様が施されている絨毯だ。
今の緊迫した空気だけは、俺にも痛い程伝わってくる。
蔵人は『ファミリーの血は一滴も流したくない』と言っていた。
俺は、まだ何かを見落としている。それが何だかわからずに、歯がゆい。
ローザはどんな答えをくれるというのだろう。