BLack†NOBLE
13.tredici
『クロード様!!』
レイジの叫び声が、静かな夜を切り裂く。
『船が奇襲をうけました!! 大至急指示をお願いします』
『船が? 何をしている……すぐに応戦しろ!
但し全員は行くな。ローザの護衛はここにいろ』
庭の外に待機していた輩が、血気ついた顔で車に乗り込み、猛スピードで走り去った。
蔵人が駆け出し、俺もその後に続いた。
『瑠威は、ここで待て』
素早く着替えを済ませると、蔵人は防弾チョッキをスーツの内側に着込んだ。
『俺も行く』
船には、アリシアが残っていた……。
全身に悪寒が走る。
海岸線から派手な爆発音が聞こえた。
『アリシア……』蔵人は小さく呟くと無表情になり、車へと急ぐ。俺も、その後を追った。