BLack†NOBLE

『クロード様……』


『俺は、コイツらに指示なんて出さない! 蔵人の部下だろ! お前が指示を出せ馬鹿野郎!』


『…………よな……』



『クロード……』アリシアが俺の後ろから飛び出して、クロードの手を握り締めた。


『クロード! 嫌よ! 絶対私のこと一人にしないで!』


 蔵人の血にまみれた手が、アリシアのブロンドを赤く染めた。


 微かに動いた唇からは、声が聞こえなかった。

 だけど、アリシアには通じたらしく何度も大きく頷いた。



『蔵人、もう喋るな。病院に着くから……』


 窓から街の明かりが見えてきた。


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