BLack†NOBLE
蔵人の部屋に入った。贅沢な部屋を想像していたが、予想外にシンプルな部屋だ。
無駄なものが何も置いていない。
『バスルームはコチラです』
『レイジ』
『はい』
『彼女と食事をしたい。用意してくれないか?』
『瑠威様……そんな悠長な……』
『彼女は、一人で日本に帰す。掟に従うには儀式が必要なんだろ? 準備しとけ』
バスルームの扉を閉めた。レイジはそのまま暫くその場にとどまり、『ありがとうございます』と言うと去っていった。
これで、本当に彼女とはお別れだ。