BLack†NOBLE

 騒動を聞きつけて、ジェロの周りに男たちが集まってきていた。


『なんの騒ぎだ』『ボスが大変な時に部外者が騒ぐな』と愚痴が聞こえてきた。



 銃口をソイツらに向けた。



『瑠威様! おやめください! 気は確かですか!』


 レイジが血相をかえて走ってきた。両手を広げて間に立つ。



『文句がある奴は堂々と言えよ。俺が気に入らない奴は早めに名乗り出ろ』


 男たちは表情を曇らせる。次から次へと集まってくる男たち。

 この屋敷だけで一体何人のマフィアがいるんだ?




 銃口を床に下げた。



 バァアアンと籠った音、鉄の塊を弾き出した衝撃が腕から肩……そして脳へと伝わる。久々の感覚だ。背筋がぞくぞくする。


 転がっていたクッションの羽毛が飛び散った。



『出て来いと言ってるだろ! コッグとグレコが両親を殺したんだろ? 蔵人を撃ったのも奴らだ! 復讐するには、お前たちの力が必要なんだよ! 俺に逆らう奴は、先に名乗り出ろ!』



 薬莢の焦げた臭いがする。酷い悪臭だ。

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