BLack†NOBLE
話は続く。俺が知りたかった本質に近づく。
『おまえの父親は、コッグとグレコが殺した。母親も道連れだ。クロード様に対する見せしめだ。組織から手を引くようにと警告を込めていたんだろう。
当時はまだコッグとグレコに加担する奴もいたからな。
だけど、クロード様は半旗を翻した二人を殺さなかった。抗争を回避して、二人を国外追放した。その頃には、クロード様の魅力に大半の男たちが彼に味方していた。俺もその一人だ。殺さないやり方を、俺たちは知らなかった。
正直驚いた。そして、今日まで仕えてきた』
『なるほどな、殺さないやり方か……』
憎いだろうに、俺と同じくらい、蔵人も奴らが憎いはずだ。
それを利用して、組織が一つになっているのか……
『瑠威様、コッグたちの入国を政府は許可していません』
レイジが耳打ちしてきた。
『密入国か? それか、偽装パスポート』
『おそらく……』