BLack†NOBLE
蔵人なら、どんな策を練るんだろうな。見当もつかないな……
『蔵人も詰めが甘いな。政府にコネがあるんだろうけど……何も役にたってない』
『ボスを侮辱するな!』
インテリ野郎が怒鳴る。
『騒ぐな。コッグとグレコに俺が会う。ミラノに行けば会えるんだろ?』
オールバックが眉をしかめた。
『瑠威様っ!?』レイジが慌てた。
それもそうだろう。抗争中のマフィア同士が顔を合わせるなんて、殺されに行くと言っているようなものだ。
『奴等に会おう。無駄な撃ち合いを続けているのは無意味だと思う』
シチリア幹部はため息をついて背もたれに寄り掛かり腕を組む。自分の島の警備が自慢の奴には出番は無しだ。
『この世界では、話し合いを持つと言うことは相手の話しに耳を貸すことになる! それはメルフィスの没落だ』
オールバックが抗議の声を上げた。
『誰が耳など貸すか、言いなりになるつもりはない。
俺は蔵人と同じやり方はしないし、継続的な組織を守る義務もない。目障りな奴らがいなくなれば、それでいい。
お前たちの中で、コッグとグレコの顔を知っている奴はいるか?』
シチリア幹部が右手を上げた。