BLack†NOBLE
彼女と過ごした時間があるから、今の俺がある。もう一度、彼女の頬にキスをした。
彼女は怒ったような顔で、屋敷の中に入ってしまい、ニナが慌てて追いかけた。
『瑠威さんと茉莉果さんて、よくわからないですね』
ジェロが難しい顔をして顎を手でさする。
『昨夜は、凄まじい痴話喧嘩していたのに今朝は仲むつまじく食事をしていて、今は分かり合ったように短い挨拶を交わして茉莉果さんは怒ってる。
どういう意味ですか?』
『彼女は彼女で、色々と不安なんだよ。俺がそばにいれないことを、なんとなく理解できてるけど、どことなく許せない。だけど、行かせてくれる。
そんな心情だ。手に取るようにわかる』
『あー! なるほど! 瑠威さんスゴいな!』
ジェロはパチンと手を叩いた。