BLack†NOBLE
20.venti
────ロンバルディア州ミラノ。ローマに続く、イタリア二番目の都市だ。
経済、文化、政治の中枢としてグローバルな進化と発展をみせている。
フィレンツェからミラノまでの移動は三百キロ。列車で二時間半の道のりもヘリならばあっという間だ。
俺と蔵人はミラノにある国立大を卒業していて、二人でミラノに下宿していたことがある。
週末になるとユーロスターの一番安いチケットを買ってフィレンツェの実家に帰る。
この石の街並みから、フィレンツェの少し南国染みたオレンジ色の街並みを目にすると「ああ、帰ってきた」と思えた。
家に帰ると母親は、必ず笑顔で俺たちを出迎えて手料理を振る舞い楽しそうに話をする。