BLack†NOBLE


「柏原、素敵よ。最高の場所だわ」


「最高なのは、貴女です」


 純白のベールをあげて、その美しい顔を目の前にする。


 胸が高鳴る。



 何故こんなにも愛しいのだろう?



『Per la vita la mia
vita tidar ograre……

A nessu na
voglio bene come ate』



 アモーレの国、イタリア

 情熱的な愛の詩は無数にある。

 お嬢様は、案の定首を傾けた。



「わからないわ、まず何語なのかしら?」



 キョトンとした表情で、長い睫毛がゆっくりと上下する。


 理解されないと思ったから口にした……

 普段なら恥ずかしすぎて、面と向かって言うのは難しい。


 しかも、得意の変な解釈をされて終わるのが関の山だ。彼女に常識など通用しない。

 そこがまた魅力的だ。

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