BLack†NOBLE


「俺のことを好きだっていう女に、『おかしもってこい』って言ってやったんだ」


 蔵人は自慢気に腕を組むと、瑠威は「すごい! すごい!」と繰り返した。


「るーにも半分やるからな? パパとママには内緒にしろよ」


「ないしょ?」


 瑠威は首を傾げた。


「ないしょって、わるいことでしょ?」

 
 さっきまで、無邪気に喜んでいたはずの弟が沈んだ顔をすると蔵人は「しまった……」とバツの悪そうな笑みを浮かべる。



「悪くないけど、内緒にしたらパパとママが喜ぶ」


「よろこぶ!」


 また嬉しそうな顔をした瑠威に蔵人は安堵した。



「……蔵人! 瑠威!」


 母親の呼ぶ声がして蔵人は、リュックサックをベッドの下に隠す。


「後で食べよう」

「うん、あとで!!」




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