BLack†NOBLE
「いかがなさいましたか?」
賑やかな店内は、ヨーロピアン調のインテリアで統一されていても、どこか家庭的な雰囲気だ。
本来なら、静かな高級レストランで時を過ごせば良かったのかもしれない。何故、こんな家庭的なレストランを選んでしまったのだろう。
「イタリアに来てから、柏原はとても愉しそうだし、よく喋るのね?」
可笑しそうにクスクスと笑いながら、お嬢様はそう言う。
こうして、対面で座り食事をすることにもようやく慣れてきたというのに……
「申し訳ございません」
「違う! 嬉しいのよ、私も愉しいわ。婚約者なんだもの、たくさん話ましょ? この料理は何?」