透明な日々に色を
夢ではない!現実だ!

紅茶を一気に飲み干し今度は完全に目を覚ます!

「えー!なんで一気に飲んじゃうの??」

ケラケラと笑う彼女を横目に自分の判断を現実の物と確信すべく

「で、住むからにはなにがあったか話してくれるよね?」

そう言うと彼女は急に沈んだ表情を見せ、黙り込む

「ななせ?」

泣いてるのか?

とのぞきこもうとしたら

「だめ!」

突然顔をあげ、声をはって拒否の言葉

「えええ?!」

あまりにびっくりして声が裏返る

「住ましてくれるからにはお金も払う!でも過去の事はいいじゃん!大丈夫!悪いことして逃げたんじゃないよ!」

そう言うとマグカップを持ち紅茶を飲み干す

確かに安易かもしれないけど僕は彼女が悪いことをするように見えないし、興味本位で過去を聞いてしまった自分を反省した

「わかったよ!じゃあひとつだけ。10年も連絡とってないのにどうして家がわかった?もし恋人がいたらどうした?」

「2つじゃん」

「いいから!」

「マキに聞いたんだよ。この間たまたま昔の話になってね!」

マキ。彼女は高校時代の唯一いまだに連絡を取っている女友達だ。キレイだがサバサバしていて、「恋愛に時間取られるくらいなら休暇を取ってタヒチに行く!」と、最近恋人と別れ、より、仕事に気合いが入ってまさしくキャリアウーマンという感じの女性だ

「そうか。マキとナナセは今も仲良いんだな。」

マキの名を聞いたら安心をした。

「これで安心?」

にこりと微笑む彼女に心を読まれてしまった

「もうひとつ。彼女いないことは知らなかったよ」

「え?」

「いないことに賭けてきた!やっぱりいなかった!あはは」

なんてことだ!悔しいけど仕方ない

「ということでこれからお願いします」

頭をさげ、すぐにパッと顔をあげ、首をかしげ微笑んでる様子

なんだか気が緩む そうだ
その笑顔が好きだったんだ



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