透明な日々に色を
変わらない笑顔

17歳の時に好きだった子のままだ

ああ そうか。

気が緩むのは目覚まし時計のクマに似てるんだ

ぷっと吹き出してしまった

その様子にキョトンとしてる彼女は
「えー!なになに?私なんか変?」

わからない顔を僕に見せる彼女に

「ああ。ごめん。ナナセがうちの目覚ましのクマに似てるから。あ!顔とかじゃなくて栗色の髪とか・・・」

「えー!クマー?? え?それって赤い丸い??」

彼女の表情が急に変わった

今度は僕がキョトンとした

「うん。そうだよ!なんでわかった?!」

真顔になった彼女はまたすぐに口角をあげた
「だってそれ、私があげたやつだよ。まだ動いてるんだ」

ふふっと笑う彼女

「え?」

そんなことをすっかり忘れていた。
ずっと使い続けてるこの目覚まし時計が僕たちを引き寄せたのか

僕たちはここからあらたなスタートをした。

決して幸せな結末が待っていなくても




< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop