透明な日々に色を
彼女の想い
赤いマグカップを持ち、リビングにある白いソファに座る。

ここに来る途中に雑貨屋で一目惚れしたふわふわした赤とグレーのボーダーのような細い線のブランケットを肩にかけ、くるまる

決して寒いわけではないけどくるまりたく
なる

冬の朝は空気が白い
窓からはいる澄んだ光が大好きだ

赤いマグカップに入ったミルクティーをそっと口に含み、ひとつ小さなため息をつく

「よかった」

ふとそんな言葉がでた

「おはよ」

後ろから声がして首だけで振り向く

「おはよう。よく眠れた?」

ケイスケは眠そうにぼーっと立っている

「軽く二日酔いだ。ナナセは平気?」

「うん!全然!」

「さすがだな」

どういう意味だろ?!
そういうと彼は浴室にむかっていった

昨日は引っ越しパーティーをして少し飲みすぎたかな

飲みすぎたわりには二人とも几帳面なのか遠慮してるのか
昨日のうちに片付けまで終わっている

ここから見えるのは袋に入った大量のビールの缶とワインの瓶だ

< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop