crazy broken

そして、その横で舟木早智子は朝定食を口にかきこんでいる。
10時45分か50分には店を出なければ11時開店の店に間に合わないし、昼時の雑踏の中着替えをさせないで一緒にいれば嫌でも人目につき過ぎるのである。
10時45分きっかりに店を出て繁華街の方へ行き、全員変装をさせることにした。
高村香梨のポーチの中に入っているものは化粧道具一式とカラーコンタクトだけであるし、松永昴も精神病院脱走して来たので、持ち物は財布と携帯だけである。財布といっても勿論閉鎖病棟の鑑定入院中の人間が自然にもてる訳ではないし、カードは足が付くので使えない。
当然、洋服や着替えは前もって公園のコインロッカーに隠しておいて貰ったものを取り出したのである。
高村香梨と松永昴は用意されたものが３９０円～500円シリーズの激安古着店であることを知っていたので、そちらに行けば良いと思ったがそれでは歩く距離が多すぎるし、これ以上同じ場所に留まれば捕まるリスクは高まる。
それなら急いで買い物を済ませて目的地周辺のカラオケボックスに移動をするべきであるが、この人たちの衣装を一通り着替えれば出て来た時の服装と違えば目立ち過ぎるし、着替えるにしてもメイクにしても初めてするのだから相当時間が掛かる。それでもずっとスーツ姿をさせる訳に行かないし、第一ヒール慣れしていない子がそんな姿になれば目立ち過ぎる。
それなら、古着系で揃えてカツラを用意して化粧をして必要なものを購入して作業した方が良い。
そして古着の店に向かって歩いていき、彼らを全員着替えをさせて化粧をトイレですることにした。
古着屋に入るとそれぞれ物色し始めて着替えをしようと相談をし始める。
さすがに、まつぼっくりと薪集めをして慌しく出たとしても、この繁華街ではカジュアルではなく地味であると思ったようだ。
舟木早智子を除いて…ぼんやりとしている船木早智子を見て、嵩垣香世と西河晶菜が声を掛けた。
「ねぇ、洋服がわかんないんなら、あっちで一緒に選んで貰いなよWW」
「その格好で行くと目立つし、作業着でしょう。」と言うと、高村香梨と羽田野綾果、蝶野柚季、野崎紫穂の衣装選びをしている所に連れて行った。
野崎紫穂にタイツとフリルスカート、タートルネック、とストールをセレクト、蝶野柚季にはトップスは長めのシャツ、レギンスにボトムをセレクトされた。