crazy broken

部屋の窓の外で声がしている。
「ねぇ。なんか外騒がしいわね。」
「精神病院から脱走者がいるみたいよ。」
「なんか、ナイフを振り回して放火したらしいわよ」
「この辺にいるんですって」
「物騒ねぇ…」
部屋の中にいる人々は一瞬息を殺して、お互いの顔を見合わせる。
その時、松永昴が携帯電話で時刻を確認する姿を見て、思わず声を上げそうになり、声を押し殺して息を呑む。
「えっ、公園で携帯切らなかったの？？GPS機能で追われているんだわ。」
と高村香梨が言った。
嵩垣香世や西河晶菜はうろたえながら言った。
「いきなり、切ったら逃走犯はここにいますと知らせるようなものじゃない！！」
「何処かGPS機能を動くものに置いて錯乱させるのよ。」
「その辺にいる動物捕まえて放す、同じことよ、おまけに、バスや電車はすぐに張られているし、一定の経路が決まっているから混乱させる効果は薄いわ。」
「郵便局は？？郵便局員の回収のバイクなら取り合えず、結構遠くまで行くから錯乱させるには十分ね。」
「重さオーバーするから本体は各自で持って、GPSの中身のみ取り出して封筒に入れて送るのよ。誰かレターセット持っている人いる？？」

「私が持っているし、切手とレターセットある。
封筒にGPS機能のみ入れて切手50円張って自宅住所か病院の住所書いて送り返して置けば、郵便局の回収屋のバイクにしばらく反応してくれるわ。
携帯の外側は持ち歩くから使われる心配もないしね。」と舟木早智子に言われて書き始める。
時刻は2時１５分、回収屋は3時に来るので、鉢合わせしないように行かなければならないように、郵便ポストに入れなくてはならない。
土地観ないので、ポストの場所がわからない。
「この中で脱走中の人、いるなら携帯は全部使えないわ！GPS機能があるから全員この封筒に入れて一時避難させるのよ！いたら、封筒に中身を入れてね？？」と嵩垣香世と西河晶菜が確認をして、大阪の土地勘のある人間は逃走中の人間だけだから、携帯で郵便ポストの場所を探すことも出来ない。
西河晶菜は携帯で郵便ポストを検索出来るサイトにアクセスして、近辺の郵便局を探すと駅の改札付近の商業ビルに郵便ポストがあることがわかった。
「ここからすぐだから、3時の回収に間に合うと思うから行って来るね。」と嵩垣香世と西河晶菜が外に出た。
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