とけないゆき
「なあ、行ってみない?」





沈黙の中、先に口を開いたのは康介だった。



「何に悩んでるかは由紀の問題だから、分かってあげたくても俺には由紀の心の中までは分かんないし。俺は、由紀のためならなんでもするけど、俺だけじゃどうにもならないときってあると思う。そういう時、逃げたくなったりしても挑戦してみたら意外と大丈夫で、今の重荷がなくなることもあると思うからさ。」







涙が出そうになる。






私が行けそうにない理由は



康介への裏切り行為でもあると思う。



それなのに私は、こんなに康介に真剣に考えてもらっている。



私は康介のためにも



変わらなきゃいけない。
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