とけないゆき








康介の家での楽しかったデートも終わり、1人で帰宅していた。




空は真っ黒で晴れているのか曇っているのかも分からない。



今日は珍しく、少しも雪が降っていない。




だけど、降り積もった雪は私のひざあたりまできている。




ここは除雪車が夜中に来るからだ。



寒くて携帯を取り出すこともできず



時間が経つごとに手の感覚がなくなっていく。





一瞬だけでも夏が来ないかな。





毎年思う冬特有の願い。
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