とけないゆき
「由紀、お父さんがなんでお前を由紀って名前にしたか知ってるか?」



「ううん。知らないよ。」



「お父さんな、由紀には雪みたいに人、場所、もの、何においても関係なく降り注ぐような人になってほしいんだ。」



「なにを、降り注ぐの?」



「考えて見なさい。」



「雪は由紀になんも降り注いでないもん。」



「そんなことないだろう。」



「お父さんは注いでもらってるの?」



「ああ、もちろん。」



「え、なに?」



「雪が降ったら由紀が笑顔になるだろう?だからお父さんは由紀の笑顔をいっぱい注いでもらってるんだよ。」
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