SAKURA-優しい愛と大きな輝き-
4月
SIDE 優愛
 
「優愛(ゆうあ)。しばらくの間、ここでおとなしくいられる?」
誰だろう…。
光の反射で顔がよく見えない。
「うん。分かったよ!!!早く迎えに来てねっ!」
小さい女の子が返事をする。
優愛という私と同じ名前の女の子。
多分、私の小さい頃だろう。
いや、多分というか確実に…だ。
「優愛はえらいねえ。すぐ迎えに来るから。ほら、建物があるでしょ?そこに入って、こんにちは!って元気よく挨拶してごらん。」
この人は、私のお母さんなのだろうか。
「分かった。行ってくるね。」
私は、まっすぐ建物へと向かった。
でも、途中で怖くなったのか後ろを振り向く。
私が手を振るとお母さんも手を振り返してくれた。
私は、この建物を保育園だと思っていた。
でも小学校の高学年くらいになってここが『孤児院』だということが分かった。
私はお母さんに捨てられたんだ…。

「----------…っっ」
誰かが私を呼ぶ。
目を覚ますと眞紀(まき)さんがいた。
「優愛ちゃん。今日は入学式でしょ。おくれちゃいけないわよー。朝食、できているから。もう少しで、皆、食べる時間よ。」
「え、あっはい。すぐ用意しますんで。」
眞紀さんとは、本名桜山眞紀。
20代前半ぐらい。
私が行く学校の女子寮の若くして寮長さん。
お父さんが学校の校長なんだ。
若いからよく相談など、されているらしい。
「あ!優愛ちゃん、目、冷やしといたほうがいいよ。」
最後に一言言って出て行った。
目?
何のことだろう…と、鏡でみていると少し腫れていた。
泣いていたのだろう。
着がえ終わって、目を冷やしていた。
すると、目の腫れは治まった。
かるいメイクをして朝食を食べに行くと、、、、

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