先生と教官室2〜新しい道〜
「ほら、おいで。」
先生から差し伸べられた大きな左手。
え?繋いでいいの?
ここ学校だよ?
「大丈夫、外真っ暗だから見えやしないだろ。」
「……はい。」
今日は少し大胆な先生。
さっきの怖い夢が原因かな?
何だか行動一つ一つが私を包み込むようでドキドキするよ…。
「見つかったらどうするん…ですか?」
「んー?足怪我したから支えてるとでも言っときゃいいだろ。顧問だし不自然じゃない。」
な、なるほどーっ!!!!
今日の先生は悪知恵がさえてる!!!!
「でも……」
「え?」
「顔見られたらちょっとまずいかな。」
そう言って私を見た先生は、顔を赤くして笑っていた。
その顔が私を好きと表してくれているようで、目が離せなかった。
「改めて手繋ぐって照れる…。」
「わ、私もです…」
車に到着するまでの五分間は、とても幸せな時間だった。