先生と教官室2〜新しい道〜



こういう時、大人の自分を少し恨む。




もし俺が伊緒と同じくらいの年齢だったら、もっと自由に恋愛ができたんじゃないかなって。




みんなの前で手を繋ぐ事もできるだろうし、デートも堂々とできるんだよな。





好きな時に触れたいだけ触れて…。





「はぁ……」





失敗を許される年齢が懐かしい。




大人のようでまだまだ子供なあの年代。




責任も重荷もあってないようなもの。




今では考えられないあの頃がこんなに恋しいなんて、どうかしてるな…。






いつもは寝る前に伊緒にメールをするが、今日はやめておこうと思った。





きっとあいつ色々悩んでるだろうから。





今日はそっとしておくのが一番だろう。








少し開いていたカーテンから、曇った夜空がよく見えた。












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