先生と教官室2〜新しい道〜
「失礼します…進藤先生、日誌持ってきました。」
放課後、進藤先生に言われた通りに教官室に来た私達。
少し控えめな恵那の挨拶で部屋の中へと入った私達を迎えたのは、いつもの二人だった。
「二人とも有り難うございます。」
そう言って歩み寄ってきた進藤先生は、さっきと変わらず悲しい顔をしていた。
そして、恵那は今日一度も進藤先生の顔をみようとしない。
「横井さん、少し話しませんか?」
「………はい。」
恵那の緊張が全身から伝わってくる。
さっきまで日誌を握りしめていた手は、今はスカートの裾を握りしめていた。
「いってらっしゃい、恵那。」
「うん、ありがと…」
小声で励ました私に、恵那は笑顔を見せてくれた。