先生と教官室2〜新しい道〜
向い合せに置かれているソファーに座ると、先生は私の斜め前に座った。
入れてもらったココアを一口飲むと、心があったまる様な感覚がした。
ココアの暖かさと先生の優しさ。
その二つが私の心を癒してくれるようだね。
「大丈夫か?」
「……え?」
私のココアと一緒にいれたであろうコーヒーを飲みながら、先生は目線だけを私に向けた。
「色々思いつめてる顔してるぞ。」
「…さすがですね。先生には隠し事できないです。」
エスパーのような先生は、嬉しい時も悲しい時も、どんな私の心も読んでしまう。
それとも、私が解りやすいだけなのかな?
「横井のことか?」
ココアを持つ手に、少しだけ力が入る。
手から伝わる熱が、だんだんと強くなっていく…。