先生と教官室2〜新しい道〜



先生の言葉で少し落ち着いた私に気づいたのか、先生はまた私に笑いかけてくれた。



そして重ねていた手を離し、先生はコーヒーに手をかけた。




「…大人になると色々な障害が増えて、自分の気持ちを最優先に出来ない事も多い。だけど、進藤先生達は何とかうまくいってほしいな…。」





「…そう…ですね。」




コーヒーを飲みながら呟いた先生の言葉が、私の胸のどこかに引っかかった気がした。





可笑しいな…先生の言葉で不安は消えたはずなのに。




今の幸せだって、先生とならこれからも続けられると思える。




全て先生のお陰でこんな気持ちになれたのに…。





何でだろう。





今の言葉は素直に頭の中に入ってこない…。








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