先生と教官室2〜新しい道〜
私の顔を見て、先生は抱きしめながら笑う。
今にもお腹を抱えそうなほど笑っているのに、抱きしめる力が弱まる事はない。
いつまでも離してくれないような、そんな力強さがたまらなく好き。
「なぁ伊緒。まだ大人になるの嫌?」
「…嫌…じゃないです。」
先生の理由を聞いて、気持ちが変わった。
大切な人を守るために大人になるって、なんて素敵なんだろうって思ったんだ。
私が先生を守ることは出来ないかもしれない。
でも、全力で支えてあげたいんだ…。
今はそう思えるようになったから、だから大人になりたくないなんて、もう思わないよ。