先生と教官室2〜新しい道〜
進藤先生の声と水の音に気づいて振り向くと、コーヒーをいれる準備をしている姿が目に入った。
なんたる切り替えの早さ…流石だな進藤先生よ。
「甲田先生?聞いてますか?」
「ん?あ、その…俺はいいかな。さっき飲んだし。」
「そうですか。」
俺の気のせいだろうか。
進藤先生の表情が柔らかい。
昨日はあんな暗い顔でうなだれていたというのに。
横井もそうだが、大切に思っている相手と分かり合えたというのは、人をここまで変えるんだな。
「なぁ進藤先生、横井とはどうなったんだ?」
「えっ…いきなりですね。」
「まぁまぁ。いいだろ?教えてくれても。」
だって、気になるじゃないか。
進藤先生にとって、いつのまにかそんなにも大切になっていた横井とのこれからを。
逆に聞きたがらない奴なんていないと思うけどな。