先生と教官室2〜新しい道〜
「自分の事を話すって何かむずがゆいですね…。」
「はははっ、俺はいつもそうなんだぞ?」
苦しみを人に話す時は、ただ助けてほしいという気持ちで一杯で、感情もあまりないけれど、喜びや幸せを話す時は何か胸が高鳴ってむずがゆくなるんだよな。
「ふぅ……。」
コーヒーをいれ終えた進藤先生は、ゆっくりと向かいにあるソファーに腰掛けた。
ソファーの間に置かれた机の上にあるコーヒーから、ふわっと良い香りがする。
この匂いを嗅ぐと、ついコーヒーを飲みたくなる。
こんなんだったら進藤先生に一緒にいれてもらえばよかったかな。
「…やっぱりコーヒー飲みます?何か欲しそうな目してますけど。」
「あー…いや、それは事実なんだけど。我慢する。」
もし今、進藤先生か俺がコーヒーをいれにいったら、話しが遠のいてく気がするし。
「俺の事はいいから。で、二人はどうなったんだ?」