先生と教官室2〜新しい道〜



男の俺にも伝わってくる進藤先生の魅力。




きっとそれが鼓動を速くしているんだろう。



感心するところでもあるが、少し憎かったりもする。




「ということは、二人の恋はまだ始まってないのか…。」




ため息まじりにそう呟いた俺の言葉を聞くと、進藤先生はゆっくりと首を横に振った。





「始まってますよ、片想いが。」




「…あぁ。ははっ、そうだな。」




両想いだけが恋なんかじゃないもんな。



むしろ、片想いの方が本当の恋愛というのかもしれない。




一緒にいられない分、相手への気持ちがどんどん膨らんで、でも伝える勇気はなくて。




苦しいけど、充実した気持ちになれる。





そりゃ両想いが一番幸せだけど、片想いの時にしか感じられない幸せもあるんだよな…。







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