先生と教官室2〜新しい道〜
冷めてしまったコロッケが、寂しそうに手の中に残っている。
周りはもう真っ暗で、公園の中どころか道にすら人影はなかった。
「っぐす、ごめ…伊緒。」
弱々しい声が私へと届いてくる。
その声がなんとも儚げで、みている私のほうが辛い。
「…私は別に大丈夫。それより、話しできる?」
「…ぅん。」
進藤先生と恵那のやりとりを見ていて、勝手に幸せそうだなっとか思ってたけど、それは違ったのかな…。
この恋愛は恵那には苦しかった?
やっぱり無理だったの?
もう、あの初恋の嬉しさには戻れない?