先生と教官室2〜新しい道〜
コクコクと喉を通っていくコーヒーは、すでに少し冷めていた。
でも、誰かにいれてもらったコーヒーは冷めても変わらず美味しい。
いつもよりほのかに甘く感じるのは、伊緒がいれてくれたものだと実感させてくれる。
「わー…いじめですか?先生が聞いたくせに全部飲んじゃうなんて。」
俺が持っているコーヒーカップを見ると、伊緒は頬を少し膨らませながらそう呟いた。
「あはははっ。」
めちゃくちゃ可愛い。
「何を笑ってるんですかぁ!!」
「ごめっ、あまりに可愛くてさ。」
「っっうぬっ!!!!」
「ぶはっ!!」
あんなに怒ってたはずのに。
俺の一言で、ただ可愛いって言っただけなのに。
顔を真っ赤にして照れてる。
その姿がまた可愛い。