先生と教官室2〜新しい道〜




今、私と恵那の名前…。




「これ持ってて。走るのに邪魔なんだよ。」




「僕も、お願いしますね。」




二年が走っている最中なのに、先生達が私達のところに走り寄ってきた。




こんなの周りの生徒が騒いでもおかしくない状態なのに、幸いみんなはリレーに夢中で気づいていなかった。




「なんで…。」




荷物なんて本部に置いておけばいいのに。



こんなバレてしまいそうな危険な行動…。




「リレー終わったら横井と持ってきてくれる?…教官室まで。」




「!!!!!!」



「ジャージ、ないと困るので早くお願いしますね。横井さん。」



「えっ…あ、はい!!」




さっきまでそんなに熱を帯びていなかったのに、私と恵那の顔がどんどん火照ってゆく。




「じゃ、行くか。」




「そうですね。」




そんな私達を、先生達はほったらかし。



何事もなかったかのように淡々とリレーへと戻っていった。




「片瀬、ちゃんと見とけよ!!顧問の意地みせてやるから。」



「じゃぁ僕は担任の意地ですかね。見ててくださいね、横井さん。」




周りに聞かれてもいいような、こんな熱いセリフを私達二人に残して…。







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