先生と教官室2〜新しい道〜
恵那の手に少し力が入った気がした。
「……恵那…。」
それは反則でしょ…進藤先生のジャージを握りしめながらのその顔はっ!!
恵那にバレないようにカメラを取り出し、その姿を写真へと残しておいた。
まぁこれは、進藤先生へのご褒美ということで…ね。
「キャ――――ッッッ!!!進藤せんせー!!」
「んん?」
少し目を離した隙に、いつのまにかリレーの状況が変化しているではないか。
何と4位にいた進藤先生が、いつのまにか3位へと順位を上げていた。
ものすごく速く動く手足は、もはやついていこうという気持ちさえ奪ってしまうほどのもので、あっぱれと叫びたくなる。
それからもどんどんと加速していくスピードで前の生徒へと近づいていき、最後のカーブでは見事な体勢から陸上部の男子生徒を抜いてしまった。
これで順位は2位。
最後のランナーは、甲田先生だ。