先生と教官室2〜新しい道〜
静まり返っていた会場に、再び叫び声が広がっていく。
男子生徒は少しふざけたような声をだし、女子生徒は黄色い声をだしている。
みんながそうなるのも可笑しくはないのだろう。
だって私でさえ顔を真っ赤にするだけで、どうしたらいいか解らないのだから。
先生は、ほぼ全校生徒が私達を見ているなか、今私を堂々とお姫様抱っこしている。
生徒だけじゃない、先生達だって沢山いるのに!!
もしバレるような事があったら…
「伊緒、大丈夫。お前が怪我してることくらい皆解ってる。だから仕方無いことだって思ってるよ。」
耳元でそう囁いた先生は、優しい笑顔を私にむけた。
私が不安な時にいつもしてくれる、安心する笑顔…。
「………せんせ。」
まるで私の心の声を聞いていたかのような言葉…。
そうだった、先生は私のエスパーなんだもん。
私が考えていることくらいお見通しだよね。
「後で手当てしてやる。だから、今は俺に必死で掴まっとけよ?」
「え?先生なにを…」
「行くぞ!!!!!!」
「うへっっ!!!??」