先生と教官室2〜新しい道〜
さっきまでは普通だったのに、何でこんなにも胸が高鳴っているのだろう。
「またお会いしたいわ。伊緒がどんな生徒か聞いてみたいしね。ふふっ」
「…普通の生徒だよ?」
「あら、先生からしたらどう思われているかは解らないわよ?」
「えー、なにそれ!!」
嬉しくて高鳴ってるの?
それとも、今までこんな事がなかったから身体がびっくりしているのかな。
お母さんが働いていた時はこんな話ししなかったもんね。
学校での事なんて一度も聞かれなかったし、担任の名前すら言った事がなかった。
提出しなくてはいけないプリントは自分で書いてたし…。
「伊緒?どうかした?」
「ん?何でもないよっ。」
だから、今こうして話しができているのは奇跡みたいな事。
当たり前だった事なんて一つもないんだ。