先生と教官室2〜新しい道〜
唐突な俺の言葉に驚いたのか、伊緒は固まってしまった。
口をポカンと開けて、ジッと俺を見てくる。
「な、なぁ進藤先生。そう思わない?」
「そうですね。僕もそんな気がします。」
「ほら、伊…」
キーンコーンカーンコーン…
「っっあ!!私行きますね。ココアご馳走様でしたっ」
進藤先生から助け舟が出た瞬間、まさかの予鈴。
固まっていた伊緒は、その音で我に返り急いで教室へと走っていった。
担任が目の前に居るんだから焦らなくても…。
「…片瀬さん、進路きまりそうですね。」
教室に行く準備をしながら、進藤先生が俺にそう言った。
「まぁ後は伊緒が気づくかだな。」
「そうですね。」
俺の言葉に少し笑いかけ、進藤先生も教室へと向かっていった。
教官室には俺一人。
さっきまでの騒がしさは嘘のように静かだ。