先生と教官室2〜新しい道〜
置いていかれた二つのコップに手をかけ、ゆっくり洗った。
そういえばコップ買いに行かなきゃな。
伊緒が割ってしまってから、まだそのままだった。
「………ん?」
たしか、あそこの店…。
うん、そうだ。
俺の記憶が間違っていなければ、これは伊緒にとって大きなチャンスになるはず。
近いうちに一緒に行ってみよう。
綺麗になったコップをしまい、自分の席にすわる。
そして、ふと目に入ったクッキーの袋を開けた。
「…うま。」
中に入れられていたクッキーは、ほどよい甘さを俺の口に広げていった。