先生と教官室2〜新しい道〜
「何の為にここまで来たと思ってるんだ?」
少し怒っている先生が私を見る。
「今は先生禁止。名前で呼べ。」
私の耳元でそう囁いて、先生はニヤリと笑った。
その顔に、私は思わず目を丸くする。
そして、わかったか?という問いかけに頷くと、手を口から離してくれた。
「前出来なかったからな。言っただろ?今度は遠くのスーパーに行こう、って。」
「え?」
「ほら、おいで伊緒。」
「!!!!!」
私の前に差し出された大きな手。
その手にゆっくり自分の手を置くと、二人の手が重なった。
優しく握られる私の手。
そこから伝わってくるのは、大好きな先生の温もり。