先生と教官室2〜新しい道〜
「はい?」
あまりに唐突な店員さんの言葉に驚いた顔をすると、向こうは優しく微笑んできた。
人なつっこいとも言えるその笑顔は、どことなく猫のようにも見える。
「そのマグカップ、僕も気に入ってたんです。だからお客様のような人に買って頂けて…ほんと、よかったです。」
「そ、そうなんですか…」
別にお礼を言われるほどの事をしたわけじゃない。
ただ、気に入ったマグカップを買おうとしてるだけ。
でも、それだけの事でもお礼を言われると嬉しい気持ちはある。
「大切にしますね、このマグカップ。」
「はいっ、宜しくお願いします。」